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漫画版「うみねこのなく頃に」感想3

ようやくEP8の6巻が到着し、全巻読み終えました。

6巻が取り寄せになっていたこと(中古でも高値取引であること)+9巻が中古でも高値である理由がよく分かりました。

6巻は、原作のPCゲームにも後発のPS3版にも記されてなかった、安田紗代の独白でした。
読み終えて最初に思ったのは、何故、この内容を原作にもPS3版にも入れられなかったか、ということ。
他の詳細は兎も角、ここがあるのとないのとではゲーム自体の評価もかなり違うと思います。
ゲームだけの内容では、事件動機が不明確です。語られてはいますが余りにも小さいことです。
バトラが約束を忘れていても、ジョージとの恋が実るのならばあんな賭けをすることに何の意味があるのか。
あんな終わり方、あんな事件で何が真実かも明確にされなかったのだから、プレイヤーは各々勝手に想像しなければなりません。

私は幾子=紗代と考えていましたが、漫画版を読み終わった現在は、紗代は死亡、幾子は事実第三者で、傍観者として自身の分身を偽書に登場させただけだと思っています(そう思いたいです)。
ゲームで完了しちゃっていれば、未だに幾子=紗代であり、バトラの脳の障害も漫画で感じた程、重度のものとは思っていませんでした。
幾子の言動がベアトリーチェに類似するのは、彼女が文章にしているのだからという事で納得出来ます。

6巻は、紗代が流したボトルの中身の1つだけれど、実際は誰の手にも渡らなかったもので、原作者が読者にのみ教えてくれた、劇中劇ではない事実として受け止めました。

ただ、EP1の1巻から最終巻のEP8の9巻までの中で、幻想でも偽書でもなく「うみねこのなく頃に」の事実として描かれているのがどこなのが非常にわかりにくくなっています。1998年も全てが事実ではないけれど、幾子とエンジェが会ったところは事実で偽書にする際、幻想を混ぜて発表しているという事になるんでしょうか。
それとも、偽書では語られていない部分(=現実)描写が混ざっているのか。

・親族会議に出席した人間の生き残りは絵羽と戦人(安田紗代は生死不明というのが事実なのかな)
・戦人の記憶は幾子がボトルメールを拾い、ネットでその事について追い始めてから
 ↑
ではあるんですが、現実の1980年代にはネットは存在しません。 後半にパソコン通信がようやくはじまるような状態。パーソナルコンピューター自体、所有者なんて余り存在しないハズ。ウチにはありましたけれど。85年以降の話です。
当時は値段も相応でした。安くても40万円程度はしたかと。
ウィンドウズが世に認められ、パソコンが普及しだしたのも1995年以降で、それまで日本ではPC98シリーズが最も普及していて、パーソナルコンピューターも携帯同様「独自路線」で開発されていました。
WIN95が発売されPC98シリーズが次第に下火になり、世界共通OSとされたWIN搭載パソコンがメインになって来たけれど、一家に一台と言われるようになるのは2000年以降の話です。
エンジェをメインに考えてもネット世界に偽書が反乱は、原作者の年齢的なものの関係(というか普及した年を誤っているかそこまで考えずに書いちゃったのか)もあるのかもしれないので許容しますけれど(作中の事実とリアルの事実は別物ですし)。

・いくつかの偽書発表後(漫画の語りを信じると、二人はいくつもの偽書を手がけていることになる)絵羽はこれを書いているのは関係者=自分が死体を見ていない相手=黄金の魔女ベアトリーチェでなければ戦人くん(9巻にある戦人が生還に至るまでの内容から絵羽は二人の死体がない事を確認している)と考えて訪問
・戦人、絵羽で事実確認(幾子は第三者として立ち会い)後、絵羽は自分の日記を預け、エンジェの事を話す
・その後、二人が描く物語は「エンジェ救済」と「ベアトリーチェへのレクイエム」へとなってゆく

エンジェが作家となった八城十八と会う前に、以前一度会っている事になっているので、EP3の描写には事実も混ざっていることになる(1998年以降も生きているのだから「死亡」は幻想)。
戦人の記憶は、モーターボートで紗代と脱出したところまでで、その後、幾子に助けられるまでの事は、いまだにわからない状況。という事は、その間の物語は事実ではなく十八と幾子の想像で、安田紗代が本当のところはどうなったか判明していない。
紗代が消えてから幾子が登場しているから、原作PCゲームとPS3版では幾子=紗代に思えてしまうのは仕方がない事であるし、紗代の独白である6巻が漫画版でも描かれなかったら、漫画版を読み終えても、全てを捨てた紗代が今は幾子として存在しているんじゃないかと勘ぐってしまったと思う。
実際、紗代は、自分自身でではなく自分に絶対忠誠を誓ってくれた源次がしてくれたんだろうけれど、黄金を換金し(もしくは相当な現金も渡されていたのかも)殺害する事になってしまうだろう全員に慰謝料のようなものを残している。
語られていない部分で、源次が彼女の為に穏やかに暮らすことが出来る家を用意してくれた、可能性がなくはない。
尤も、現実的に考えると、それだと八城幾子も十八も戸籍がない儘に彼処で生活をする事になってしまうけれども。
身の回りの世話をしてくれる家政婦のような人が漫画版には存在するのだけれど、その人だって源次には用意できる。

ですが、原作者がわざわざ描ける限りネタバレしていいよと言って、全て入れ込んだ上で出来上がったのが漫画版のEP8なので、八城幾子は、あの辺りの地主の娘で、勘当同然で家を出て与えられた屋敷で暮らしているミステリー好きな風変わりな女性なのだと信じることにします。

ただ、ですよ。
十八がエンジェと会った時の会話の中に、十八は戦人の記憶を殆ど所有しているのに、わざわざ幾子が「海で溺れた前後の記憶が曖昧」と告げさせている。
これは、紗代を助けるために飛び込んだ後の記憶が曖昧なのか、ボートで彼女と島を離れたまでは覚えているけれどその後の記憶が曖昧であるのとは、かなり意味合いが違ってしまう。
エンジェに告げた言葉通り素直に受け止めてしまうと、紗代が入水自殺をしたところからは二人の幻想になってしまう。
彼女を助けようと海へ飛び込んだ以降の記憶が曖昧、の方が答えが明確に出るのに。何故、敢えてあんな事を言わせているのか。

最終場面、八城十八から戦人の部分は、幻想世界へと分離した、という事で良いんでしょうか。
十八の中の戦人はベアトリーチェたちのもとへ帰り、この物語の幕を完全に閉じ、自身は十八として生きる。
エンジェとも「最後にもう一度」と話して訪問しているから、右代宮戦人とは決別するつもりでいると思うし。
エンジェ自身、その名には既に生きてはいないですしね。
右代宮金蔵の血を引く、唯一残った兄妹共に未だ独身。
幾子と共に暮らしながら、まぁ車椅子ですしね十八は。
エンジェはどうなのか判りませんが。天草が傍にいるけれど、彼とはどういう関係になっているんだろう。
名前を変えて以降、彼とずっと一緒のような気がします。
でも、何方も子は成さず、完全に金蔵の血は途絶えるのかな。


漫画版では色んなことが補完され、私の中でもようやくこの物語に幕引きできた気がします。
ゲームの終わり方に納得できなかった方、是非、漫画版、読んでください。
最低でもEP8は読んでほしいです。「うみねこ」の評価がきっと変わりますよ。


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